老人介護支援センターとは?地域包括支援センターとの違いについて

老人介護支援センターとは?地域包括支援センターとの違いについて

高齢者の介護に関する施設やサービスにはさまざまなものがあります。よく似た名称のものがあり、混乱される方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は老人介護支援センターと、地域包括支援センター、在宅介護支援センターとの違いをご説明します。

1.老人介護支援センターとは

老人介護支援センターは「老人福祉法」で規定されている施設のひとつです。主に居宅で介護を受ける高齢者やその家族の相談に応じることを目的にしています。さらに地域での老人福祉の問題に対しての相談や助言も行っています。

また、市町村や老人福祉施設、医療施設や老人クラブなど老人の福祉増進を目的とする事業所(団体など)との連絡や調整などを総合的に行う施設です。

1-1.居宅介護の相談や支援

老人介護支援センターの役割のひとつに、居宅介護を受ける人の相談や支援があります。具体的な内容には、次のようなものがあります。

  • 介護福祉士や看護師などによる介護の相談や指導
  • 保健・福祉サービスに関する情報の提供
  • 福祉用具の紹介

など。

よくある相談例

  • 高齢の父が要介護認定を受けられるかどうかわからないので相談したい
  • 介護サービスを受けるのは初めてだけど、何から始めればいいのかわからない
  • どこでどんな介護サービスがあるのか知りたい
  • 普段は家族と一緒に暮らしているので問題はないが、親戚の結婚式に出るために数日間家を空けることになった。その期間だけ父を預かってくれるところがないか知りたい

このように自分ひとりではわからないことを気軽に相談できます。

1-2.ケアプランの作成

老人介護支援センターでは居宅介護サービスを受けるためにケアプランの作成を行っています。居宅介護サービスとは、要介護1~5に認定された人が自宅で介護サービスを受けることをいいます。

ケアマネジャーが利用者の心身の状況や家族の事情などを聞きとり、希望に沿った「居宅サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。また、指定居宅サービス事業者との連携や調整を行い、ケアプランが順調に進んでいるかどうかのチェックなども行います。

なお、ケアプランの作成には費用はかかりません。

1-3.自治体や各施設との連絡調整

老人介護支援センターは自治体や老人福祉施設、医療機関など老人の福祉に関係する事業者との連絡や調整を図り、老人の介護や福祉の支援を行います。

2.老人介護支援センターの設置場所

老人介護支援センターは市町村や医療法人、社会福祉法人などが設置していますが、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などに併設されるケースが多くあります。これは24時間体制で対応が可能なためです。

近年は地域包括支援センターに統合されるケースが多い

2006年に介護保険法が改正され、地域包括支援センターが創設されました。それによって老人介護支援センターは地域包括支援センターに移行や統合して、現在は存在しない自治体もあります。なお、「在宅介護支援センター」と呼ばれるものがありますが、実体は同じものです。

3.地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは市町村に設置されるもので、住民の健康の保持や生活安定のために必要な援助を行うことを目的にしています。2006年からスタートしました。

3-1.地域包括支援センターの業務

地域包括支援センターの主な業務は、次の4つです。

  1. 総合相談支援業務…地域住民のさまざまな相談を受けて必要な支援を行います。
  2. 介護予防ケアマネジメント業務…介護予防ケアプランの作成などを行います。
  3. 権利擁護業務…成年後見制度の活用を促進したり、高齢者の虐待防止の対応をしたりします。
  4. 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務…ケアマネジャーへの個別指導や相談、地域ケア会議の開催などを行います。

また、介護サービスだけでなく医療サービスやボランティア、民生委員などとの連携を図り、支援を行っています。

3-2.地域包括支援センターの数

2012年4月時点で全国の地域包括支援センターの数は4,328ヶ所となっています。ブランチ(窓口)やサブセンターを含めると総数は7,072ヶ所になります。地域包括支援センターは約3割が自治体直営で、7割が委託運営をしています。

委託先は、

  • 社会福祉法人…53.3%
  • 社会福祉協議会…19%
  • 医療法人…16%
  • 社団法人…3%

となっています。

4.老人介護支援センターと地域包括支援センターの違い

老人介護支援センターは老人福祉法による事業ですが、地域包括支援センターは介護保険法による事業です。ただ、それぞれの業務内容がよく似ていることや、地域包括支援センターが創設されたこともあり、現在では老人介護支援センターの廃止や地域包括支援センターと統合するケースが増えています。

地域包括支援センターの利用料

地域包括支援センターでの相談は無料で受けられます。また、要支援に認定された人が介護予防ケアマネジメントサービスを受ける場合は、全額が介護保険制度から事業者に支払われるので、自己負担額はありません。

まとめ

老人介護支援センターは老人福祉法に規定されている施設のひとつで、主に在宅で介護を受ける人の相談や支援を行っています。

特徴は次の通りです。

  • 老人介護支援センターは「在宅介護支援センター」と呼ばれることもあるが、同じものである
  • 2006年以降は地域包括支援センターが創設され、そこでの業務が老人介護支援センターのものと近いことから統合が進められている
  • 老人介護支援センターや地域包括支援センターでの相談やケアプランの作成は無料で受けられる
  • 地域包括支援センターは自治体のほか、社会福祉法人、社会福祉協議会などの委託先が運営している

老人介護支援センターは介護の問題に直面したときに相談に乗ってもらえる身近な施設です。地域によっては地域包括支援センターに統合されている場合がありますが、無料で相談に応じてもらえるので、積極的に活用してみましょう。

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