介護の仕事をするには?仕事の種類と実態、給与を解説

介護の仕事をするには?仕事の種類と実態、給与を解説

超高齢化社会を迎えるにあたって、今後ますます介護の仕事は需要が増えていきます。「やりがいはあるけれど大変そう」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで介護の仕事の実態について見てみましょう。

1.介護の仕事の種類

介護に関する仕事には次のように多くの種類があります。

  1. ホームヘルパー(訪問介護員)
  2. 介護福祉士
  3. ケアマネジャー(介護支援専門員)
  4. 生活相談員
  5. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
  6. 看護師・準看護師
  7. 医師

ここでは「1」のホームヘルパーから「3」のケアマネジャーについて、くわしく解説していきます。なお、資格がなくても老人ホームや老人保健施設などで働くことはできます。働きながら資格を取得する人も多いので、次に説明するそれぞれの仕事内容を見て目指す道を考えてみてもいいですね。

2.ホームヘルパーの仕事内容となり方

ホームヘルパー

ホームヘルパーは「訪問介護員」とも呼ばれます。施設介護ではなく在宅介護をしている要介護者を訪問して介護サービスを行います。

2-1.ホームヘルパーの仕事内容

ホームヘルパーの仕事内容は大きく分けると

  1. 身体介護
  2. 生活援助

になります。

2-1-1.身体介護

身体介護とは利用者の食事や排せつ、入浴、歩行などの介助を行います。体位交換、清拭、おむつ交換、入浴など直接利用者の身体に触れるサービスのことを指します。

2-1-2.生活援助

生活援助とは利用者が居住する部屋の掃除や洗濯、調理、買い物など日常生活に必要な家事を援助するサービスです。

2-2.ホームヘルパーになるための必要資格

訪問介護の仕事をするための資格として、以前は「ホームヘルパー1級・2級」や「介護職員基礎研修」がありましたが、現在は「介護職員初任者研修」を修了することが必要です。「介護職員初任者研修」は都道府県が指定する養成機関で実施しています。仕事に就くには「介護職員初任者研修」を130時間受講するか、「実務者研修」を受講して修了証明書の交付を受けなければなりません。

なお、すでに「ホームヘルパー1級・2級」や「介護職員基礎研修」を修了している場合は、「介護職員初任者研修」を修了した者とみなされるので、新たに受講する必要はありません。

2-3.ホームヘルパーの勤務先と就労状況

ホームヘルパーの勤務先としては、

  • 訪問介護事業所
  • 医療法人
  • 社会福祉法人
  • 市町村社会福祉協議会
  • NPO法人
  • 生協
  • 農協

などがあります。

ホームヘルパーは正社員が少なく非正規職員が多いのが特徴です。なお、最近は夜間の訪問介護サービスもあるため、事業所によっては夕方や夜間の勤務もあります。

3.介護福祉士の仕事内容となり方

介護福祉士

介護福祉士は介護の専門的な知識を持ち、介護が必要な高齢者や障害のある人に対して、日常生活がスムーズに過ごせるように身辺の介助をしたり、介護に関する相談に応じたりします。

3-1.介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の仕事は、大きく分けると次の4つになります。

  1. 身体介護
  2. 生活援助
  3. 相談・アドバイス
  4. 社会活動支援

3-1-1.身体介護

食事や排せつ、入浴、衣服の着脱などの介助や清拭・洗顔などの衛生管理を行います。車いすの乗り降りを手伝ったり、歩行を補助したりといった仕事もあります。

3-1-2.生活援助

利用者の部屋の掃除や洗濯、買い物、調理(配膳なども含む)といった日常生活の援助を行います。

3-1-3.相談・アドバイス

利用者やその家族から介護に関しての相談を受けたり、アドバイスをしたりします。例えば介護用品や介護食の選び方などの相談に応じて、適切な助言をする仕事です。

3-1-4.社会活動支援

家に引きこもりがちになる利用者に、地域の高齢者向けのサークルやイベント、活動などを紹介して参加を促します。

3-2.介護福祉士になるための必要資格

介護福祉士として働くには、国家資格である「介護福祉士資格」を取得する必要があります。介護福祉士の資格は介護の中で唯一の国家資格で、それだけ専門的で高度な知識や技術が求められます。介護福祉士の資格を取るには、次のようにいくつかのルートがあります。

筆記試験 実技試験
福祉系高校ルート 福祉系の高校に入学し福祉に関する科目を履修する(平成21年度以降の入学者) 受験 免除
特例高校などを卒業し、実務経験を9ヶ月以上積む(平成21年度以降入学者) 受験 介護技術講習を受ければ実技試験は免除
養成施設ルート 高校を卒業後、右のいずれかのコースに進む 介護福祉士養成施設(2年以上)を卒業する 筆記試験・実技試験ともに免除で資格取得
A:福祉系大学を卒業する A~Cのいずれかを終えた後、介護福祉士養成施設(1年以上)を卒業する
B:社会福祉士養成施設を卒業する
C:保育士養成施設を卒業する
実務経験コース 実務経験を3年以上積む※ 実務者研修または介護技術講習を受ける 受験 免除(実務者研修または介護技術講習を受けない場合は実技試験あり)

※実務経験とは老人ホームやデイサービスセンター、ケアハウスなどで介護職員、介助員など主たる業務として介護等を行うことを指します。

なお、受験年度によって受験資格や条件が変更になる可能性があります。事前に公益財団法人社会福祉振興・試験センター(http://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html)で確認してください。

3-3.介護福祉士の勤務先と就労状況

介護福祉士の勤務先としては、訪問介護の事業所だけでなく介護施設、通所介護事業所、短期入所施設、居住型施設など幅広くあります。以下のサービスを実施している施設や事業所で働くことができます。

  • 訪問介護系…訪問介護・訪問入浴介護・夜間対応型訪問介護などの事業所
  • 施設系…老人保健施設・老人福祉施設・療養型医療施設など
  • 通所系…通所生活介護施設(デイサービス施設)、通所リハビリテーション施設(デイケア施設)など
  • 短期入所施設系…特別養護老人ホームなどで短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 居住系…小規模な有料老人ホームでの地域密着型特定施設入居者生活介護など

介護福祉士の仕事内容の中でも身体介護と生活援助はホームヘルパーとあまり変わりません。しかし、ホームヘルパーは都道府県が認める公式認定資格ですが、介護福祉士は国家資格です。その分、給与が高く支給されるケースが多いので、取得しておきたい資格だといえます。

なお、介護福祉士の勤務形態は勤め先によって異なります。通所サービスだけを実施しているところは日勤だけですが、入所サービスの施設や夜間対応型訪問介護を実施している事業所では夜勤や早番・遅番などの交代勤務があります。

4.ケアマネジャーの仕事内容となり方

ケアマネジャーの仕事内容となり方

ケアマネジャーは正しくは「介護支援専門員」といいます。要介護や要支援の人の相談に応じ、必要なサービスを受けられるようにケアプランを作成します。

4-1.ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーは介護を必要とする人がどんなサービスを利用すればいいのかという相談に応じ、ケアプランを作成するのが主な仕事です。大きく分けると、次の4つになります。

  1. 介護に関する相談
  2. 要介護認定の申請手続きの代行
  3. ケアプランの作成
  4. ケアプランの管理と見直し

4-1-1.介護に関する相談

要介護認定を受けた人がどのような介護サービスを受けるといいのか、費用面も含めて相談に応じます。介護が必要な本人だけでなく家族の状況なども聞き取り、適切な助言を行います。また、すでに介護サービスを受けている場合は主治医や事業所からも情報を聞き出したり、連携を取ったりします。

4-1-2.要介護認定の申請手続きの代行

要介護認定の申請はさまざまな書類を記入したり、専門用語が出てきたりして、本人や家族が行うのが難しい場合があります。その際にケアマネジャーが申請を代行します。また、要介護認定を変更する場合の申請代行も行います。

4-1-3.ケアプランの作成

介護が必要な人が介護サービスを受けるにはケアプランを作成する必要があります。ケアプランは利用者本人や家族が作成することもできますが、どんなサービスがあるかわからないことが多いため、ケアマネジャーが作成します。

適切なサービスを選ぶだけでなく介護保険の支給限度額を超えないように考えてプランを作成する大変な仕事です。

4-1-4.ケアプランの管理と見直し

ケアプランに基づいてサービスが提供されたあとも、要介護者の状況や家族の事情などに合わせてケアプランの変更や見直しなどを行います。また、サービス担当者介護を開催してよりよいサービスを提供するために要介護者や家族との話し合いを行います。

4-2.ケアマネジャーになるための必要資格

ケアマネジャーとして働くには「介護支援専門員証」が必要です。これは「介護支援専門員実務研修受講試験」を受けて、その後に「実務研修」を修了することで取得できます。受験資格は次のようになっています。

受験資格 実務経験の年数
  • 医師・薬剤師・看護師・準看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士などの国家資格を持つ人
  • 生活相談員として相談援助業務に従事する人
通算5年以上かつ900日以上であること
社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修課程または実務者研修を修了し、規定の介護業務に従事する人(平成27年度~平成29年度に限り適用)
介護業務に従事している人 10年以上

なお、受験資格は今後変更になる可能性があります。また、該当する資格を持っていても、指定の業務に従事していない場合は受験資格はありません(たとえば、薬剤師の資格はあるが製薬会社で研究をしていた場合は、受験資格はありません)。

試験を申し込む際には願書とともに実務経験があることを証明する書類の提出が求められます。「介護支援専門員証」の有効期間は5年間です。有効期間を延長するには、必要な研修を受けて延長申請する必要があります。

4-3.ケアマネジャーの勤務先と就労状況

ケアマネジャーの勤務先としては

  • 地域包括支援センターや居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)
  • 老人福祉施設や老人保健施設、療養型医療施設、有料老人ホームなどの施設

があります。

4-3-1.地域包括支援センターや居宅介護支援事業所での仕事

施設に入らずに居宅介護を受ける人の相談に乗ったり、ケアプランの作成をしたりします。また、居宅サービス事業者などとの連携をして、入所や利用する場合は紹介をします。

4-3-2.施設での仕事

施設に入所してサービスを利用している要介護者のために施設サービス計画を作成します。また、サービス内容の見直しなども行います。

ケアマネジャーの勤務形態はパートタイマー、契約社員、正社員などがあります。フルタイムで働く人が多いのが特徴です。

5.介護の仕事の離職率

介護の仕事の離職率

「介護の仕事はきついために辞めていく人が多い」といわれますが、現実はどうなのでしょうか?公益財団法人介護労働安定センターが平成27年度に実施した調査によると、介護職員の1年間の離職率は16.5%で平成24年度の17.0%よりは下がったものの、ここ2~3年は横ばい状態になっています。

「介護労働実態調査」職種・就業形態別の離職率(公益財団法人介護労働安定センター 平成27年度)

「介護労働実態調査」職種・就業形態別の離職率

出典:http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h27_chousa_kekka.pdf

「介護労働実態調査」採用率・離職率の経年変化(公益財団法人介護労働安定センター 平成27年度)

「介護労働実態調査」採用率・離職率の経年変化

出典:http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h27_chousa_kekka.pdf

なお、介護職とそれ以外の業種との離職率の差を調べてみると、常勤職員では全産業の離職率が11.3%なのに対して介護職員の離職率は17.5%と6.2ポイントも高くなっています。ただし、短時間労働者のデータを見ると介護職員の離職率は全産業よりも低くなっています。

「平成22年度介護労働実態調査」離職率・入職率の状況(就業形態別)(公益財団法人介護労働安定センター 平成22年度)

「平成22年度介護労働実態調査」離職率・入職率の状況(就業形態別)

出典:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ae5j-att/2r9852000002aej7.pdf

5-1.介護の仕事を辞めた理由

離職した人は仕事がきついから辞めたのでしょうか?離職者に辞めた理由を調べた結果、もっとも多かったのは「職場の人間関係に問題があったから」で25.4%と高い割合を占めています。

「介護労働実態調査」仕事を辞めた理由(公益財団法人介護労働安定センター 平成27年度)(単位:%/複数回答)

「介護労働実態調査」仕事を辞めた理由

出典:http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h27_roudou_genjyou.pdf

5-2.介護の仕事の平均年齢と男女比

仕事を辞めた理由のトップが「職場の人間関係」ということですが、働いている人の平均年齢や男女比を見てみましょう。

厚生労働省の調査では、理学療法士や作業療法士の男女比はほぼ同じですが、それ以外の職業では女性の方が圧倒的に多くなっています。また、平均年齢が35歳~47歳となっています。そのため、20代の人が入職しても「自分より年上の人が多い」と感じる要因になっているのかも知れません。

年の差が必ずしも人間関係の悪化を招くものではありませんが、仕事を探すときは同年代の人がいるかどうか、職場の雰囲気はどうかといったことも調べるといいでしょう。

厚生労働省「賃金構造気泡統計調査」(平成23年)

職業 男性 女性
構成比 平均年齢 勤続年数 構成比 平均年齢 勤続年数
理学療法士・作業療法士 49.9% 31.3歳 4.5年 50.1% 30.1歳 4.6年
ケアマネジャー 22.1% 40.6歳 8.4年 77.9% 47.0歳 8.0年
ホームヘルパー 23.5% 35.3歳 4.0年 76.5% 43.9歳 5.8年
福祉施設介護員 33.2% 34.8歳 5.4年 66.8% 39.0歳 5.5年

出典:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ae5j-att/2r9852000002aej7.pdf

5-3.職場への不満や不安も

一方、介護の仕事をする人は職場への不満や不安を抱いています。平成27年度に実施された「介護労働実態調査」(公益財団法人 介護労働安定センター)の中から、いくつかをあげてみます。

  • 人手が足りない…50.9%
  • 仕事内容のわりの賃金が低い…42.3%
  • 有給休暇が取りにくい…34.6%
  • 身体的負担が大きい(腰痛や体力の不安)…30.4%
  • 業務に対する社会的評価が低い…29.4%
  • 精神的にきつい…27.9%
  • 休憩が取りにくい…26.4%
  • 夜間や深夜時間に何か起こるのではないかと不安…17.1%
  • 労働時間が不規則…12.5%

この結果から、身体的な負担や重い責任があるわりに賃金や社会的な評価が低いという不満が多いことがわかります。

では、次に介護の仕事の給与を見てみましょう。

6.介護の仕事の給与実態

介護の仕事の給与実態

公益財団法人介護労働安定センターの調査では、平成27年度の介護労働者の所定内賃金(各種手当を含まない賃金)は次のようになっています。

月給の人(円/月) 日給の人(円/日) 時給の人(円/時間)
全体 217,753 8,677 1,136
訪問介護員 191,751 8,804 1,289
サービス提供責任者 219,663 9,235 1,102
介護職員 198,675 8,155 935
看護職員 266,504 9,599 1,396
介護支援専門員 250,499 9,729 1,273
生活相談員または支援相談員 232,389 7,709 1,009

出典:http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h27_chousa_kekka.pdf

例えば訪問介護の仕事を月給制で働く場合、単純に年収を計算すると【191,751円×12ヶ月=2,301,012円】となります。労働のわりに給与が低いということがうなずけます。介護の仕事で給与UPを考えるならば介護支援専門員の資格を取得したり、責任者になったりといったスキルアップを目指すといいでしょう。

介護支援専門員になるには介護業務の実務経験が必要です。こつこつと仕事を続けて資格取得にチャレンジしてみましょう。

まとめ

介護の仕事には、ホームヘルパー(訪問介護員)、介護福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)、生活相談員など多くの仕事があり、これらは資格が必要です。しかし、施設で介護職員として働く場合は資格がなくても可能です。介護の仕事に関心がある人は、働きながら資格取得を目指してみましょう。

介護の仕事の特徴をまとめると、以下のようになります。

  • 介護の仕事は訪問介護系と施設介護系があり、訪問介護をするにはホームヘルパー(訪問介護員)の資格が必要
  • 専門的な知識や技術を持つ資格として介護福祉士や介護支援専門員がある。いずれも実務経験が必要なので経験を積みながら目指すといい
  • 介護の仕事は常勤で働く人の離職率が高いのが特徴である
  • 仕事を辞める理由には「人間関係の問題」をあげる人が多いが、賃金が低いことや労働を正当に評価されないということもある

介護現場で働いている人は、大変さだけでなくやりがいも感じています。高齢化社会に貢献できる仕事なので、ぜひ挑戦してみてください。

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