今回は介護保険と医療保険の保証内容の違いと介護やリハビリの現場でどちらの保証が優先されるのかについて紹介します。
医療保険も介護保険も名前が似ているのでいざ使うとなるとどっちを使えば良いのか迷うことがあると思います。
それに「2種類の保険は併用できるのか?」、「介護やリハビリの際にどちらの保証を使うのがお得なのか」も気になりますよね。
そこで今回は公的な医療保険と公的な介護保険の根本的な違い、2種類の保証を使い分けるコツ、併用が認められているのかについて見ていきます。
ちなみにこのコンテンツを作成するにあたって医療保険に関しては、医療保険おすすめ.comというサイトの情報を参考にさせていただきました。
こちらのサイトは、実際の加入者156人と保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)にアンケートを実施し、その結果をランキング形式で紹介しています。
今本当に人気な医療保険がわかるので、非常に参考になりました。その他にも年代別のおすすめランキングや、男性・女性別の比較ランキングなども掲載されています。
また、終身保険についての解説や、生命保険と医療保険の違い、賢い医療保険の選び方などの基本的な情報もわかりやすく解説されていたので、医療保険の申し込みを考えてる場合にはぜひチェックしてみることをおすすめします。
このページの目次
介護保険と医療保険の保障内容の違い
公的な介護保険と公的な医療保険の併用や効果的な使い分けを考えるためにも両者の保証内容の違いを正しく知る必要があります。
そこで公的な介護保険と公的な医療保険の代表的な違いを一覧にしてみましたので一緒に目を通してみましょう。
保険の種類 | 介護保険 | 医療保険 |
---|---|---|
保障対象者 | 原則65歳以上 (一部40歳以上) |
0歳以上 |
保障の発生条件 | 介護施設の利用 介護相談 訪問介護 |
病院で治療を受ける際 医療機関で入院をした時 |
認定の必要性 | 必要あり | 必要なし |
自己負担額 | 原則1割 | 原則3割 |
保障の上限 | 上限あり | 上限なし |
ここで一覧にしましたように介護保険と医療保険ではこちらの5点が大きく異なります。
- 保障対象者
- 保障の発生条件
- 認定の必要性
- 自己負担額
- 保障の上限
それぞれの項目が医療保険と介護保険でどのように違うのかについてはこれから1つずつ見ていきます。
保障対象者
医療保険の場合、保険証を持って病院に足を運べば老若男女誰でも利用ができます。つまり病院に通院や入院をする全ての世代を対象にしているのです。
その一方で介護保険は、介護が必要になった40歳以上の人を対象にしています。
この対象年齢が40歳以上に定められていることと国からの認定が必要な点が介護保険のポイントになります。
特に「認定が必要」という点が重要になります。
年齢別の要介護認定条件
介護保険の認定基準って気になりますよね。
そこで現在日本政府が要介護認定と定めている年代別の基準を一覧にしてみましたので一緒に見ていきましょう。
年齢 | 認定基準 |
---|---|
40歳未満 | 認定の対象外 |
40歳~64歳 | 16種類の特定疾病 |
65歳以上 | 要介護状態 |
例えば65歳以上の場合、介護が必要だと判断される状態になれば原則的に「要介護認定」を受けることが出来ます。
その一方で40歳~64歳の場合、要介護状態であっても末期がんや関節リウマチといった16種類の特定疾病にかからないと「要介護認定」となりません。
ちなみに医療保険は、介護保険と違って保険証があれば誰でも利用ができるので認定基準は無いに等しいです。
年代ごとに明確な認定基準が設定されているかどうかは医療保険と介護保険の大きな違いの1つになります。
ちなみに日本政府が定める要介護の認定基準はその都度変わります。
最新の認定基準が気になるのでしたら厚生労働省の公式サイトに目を通すことをおすすめします。
保障の発生条件
医療保険の保障の対象になるのは、医療機関で公的な医療を受けた時になります。
端的に言ってしまうと病院で保険証の提出が求められるか否かが医療保険の保障が認められるかどうかの基準になります。
その一方で介護保険は介護施設の利用や訪問介護を利用した時に使える保障サービスです。
例えば介護施設でリハビリ活動に取り組んだり、自宅で訪問介護サービスを利用するケースが該当します。
まとめると医療保険の保証の対象になるのは公的な医療サービスを受ける時であり、介護保険の保証の対象になるのは介護サービスを利用した時です。
介護保険と医療保険ではそもそもの目的が違うので保障の対象になるケースが変わるという点は、両者を使い分ける際のポイントになります。
自己負担額
介護保険を使うにせよ医療保険を使うにせよ自己負担額が気になりますよね。
実は医療保険と介護保険では自己負担額が変わります。まず前者の医療保険は普段私達が病院で利用する保険証を使うことになるので原則的に自己負担額は3割となっています。
その一方で介護保険の自己負担額は1割になっています。自己負担額が3割の医療保険と自己負担額が1割の介護保険を比較すると見かけ上の条件面は介護保険の方が優れています。
それでは常に介護保険は医療保険よりお得かというとそうではありません。この理由については保証の上限金額と絡めてこれから紹介していきます。
保障の上限
実は介護保険には医療保険と違って保障が適応される一ヶ月あたりの上限額が設定されています。
仮に上限額を超えてしまった場合は、超過分は全額自己負担になるので介護保険を利用する前に上限額のチェックが欠かせません。
自己負担額が1割で済むというのは介護保険の嬉しいポイントですが、上限金額を超えると10割負担になるので介護保険がお得とは言い切れないのです。
訪問看護やリハビリで優先されるのはどっち?
ここまでの内容で介護保険と医療保険の違いは大体おわかりいただけたかと思います。
そこで次に訪問介護とリハビリを利用する際には、医療保険と介護保険のどちらが優先されるのかについて考えてみます。
訪問介護の場合
医療保険と介護保険のどちらが優先されるかは、難病を抱えているかどうかと訪問看護指示書があるかどうかで変わります。
難病と訪問看護指示書の有無で優先順位がどのように変わるのかについてはこれから見ていきます。
難病や訪問看護指示書があるケース
厚生労働省が定めた疾病や難病が原因で介護が必要な時や医師が訪問介護指示書を出した場合は医療保険が適応されます。
ちなみに疾病や難病というのは、末期の悪性腫瘍や末期のガンといった完治が困難な病気が該当します。
そして後者の訪問介護指示書というのは、病気の治療の一環として訪問介護の必要性が医師に認められたことを示す指示書です。
難病に該当するケースや医師の訪問介護指示書がある場合は、訪問介護は病気の治療の沿線上だと判断されます。
その結果、自己負担額が1割の介護保険ではなく自己負担額が3割の医療保険が適応されます。
それ以外のケース
逆に難病の治療に該当しないケースや医師からの訪問看護指示書が出ていない場合は、原則として介護保険が優先されます。
つまり訪問介護で医療保険が優先されるのは医療目的と認められたケースだけであり、原則的には介護保険が適応されるのです。
リハビリの場合
リハビリの際の医療保険と介護保険の優先順位は、リハビリの目的が病気の治療にあるかどうかで変わります。
病気の治療が目的の場合
医療機関で病気の治療や症状の回復が目的で行われるリハビリは原則として医療保険が適応されます。
例えば骨折した足の回復の一環として行われるリハビリがこれに該当します。
こういった失われた機能を回復されるためのリハビリは治療の一環と見なされるので医療保障の対象になります。
それ以外のケース
逆にリハビリが病気の治療の沿線上にない場合は、原則として介護保険が適応されます。
例えば、現状の機能を維持するために介護施設でリハビリを受ける場合は、治療とは関係のないリハビリと判断されます。
要するにリハビリが治療の一環になっていない場合は、原則的に介護保障が優先されることになるのです。
2種類の保障は併用できるのか?
ここまでの内容では、介護保険と医療保険の違いや、状況に応じた使い分けについてお話してきました。
基本的にはご自身の状況に合わせて使い分けることになりますが、中には「医療保険と介護保険は併用できないの?」という疑問を持っている方もいるかと思います。
結論から言うと、医療保険と介護保険の併用は基本的には認められていません。
あくまで医療目的の場合は医療保険が適応され、目的が医療と外れている場合は介護保険が適用されるので併用が出来ないのです。
ただし併用が出来ないというのはあくまで原則の話であり、例外的に認められるケースがあります。
代表的な3種類の例外ケースについてこれから紹介していきます。
別の診断名でサービスを受ける場合
同一の診断名で2種類の保険の併用は出来ませんが、別の診断名としてリハビリや介護を受ける場合は併用が認められることがあります。
例えば介護保険が適応される診断名で介護サービスを受けた後に別の診断名を受けたとします。
この場合、介護保険が適用されるリハビリや訪問介護サービスを受けながらも別の診断名として医療保険の保障を受けることが出来ます。
両者を利用する時期が違う場合
診断名が同一の場合、2種類の保険の併用は認められませんが、月が変われば認められることがあります。
例えば医療保障が適応される訪問介護が3月に終了した場合、4月以降なら介護保険を利用しての訪問介護を受けることができます。
同じ月に2種類の保障の併用はできませんが、どちらかの保障が終了して一ヶ月が経過すれば別の保障が認められるのです。
末期癌のような難病に該当するケース
同一月に同一の診断名で2種類の保険の併用が認められないのは先に紹介したとおりですが、難病に当たる場合は話が変わります。
例えば介護保険の訪問介護を利用していた人がサービス利用期間中に末期がんにかかったとします。
この場合、今まで通りのリハビリや訪問介護を継続しながら同一の診断名で医師の指導に基づいた治療や訪問介護が認められます。
民間の介護保険と医療保険のすすめ
ここまで医療保険と介護保険という国が提供している2種類の公的な保証サービスの違いや優先順位について見てきました。
公的な医療保険も公的な介護保険も便利ですが、必要に応じて保険会社が提供している非公的な保証にも加入することをおすすめします。
なぜなら公的な保障はあくまで医療費や介護費の負担を軽くするものであって万が一の際の収入を保障するものではないからです。
これについて簡単に補足します。
あなたが要介護認定を受ければ国が提供している公的な介護保険を利用することが出来ます。
公的な介護保険を利用すれば、介護サービスを利用する際の自己負担額が1割になりますが、あくまで1割は自分で払わなくてはいけません。
それに食費や家賃は毎月かかりますよね?
こういった自分で用意するべきお金に関しては、基本的に国は面倒を見てくれません。
これが公的な保障の限界なのです。
この限界を補うのが、民間の保険会社が提供している保険サービスです。
例えば民間の医療保険に加入すれば、入院や手術の度にお金が支給される上に病気の療養で働けなくなっても一定の収入が見込めます。
身の不幸が起きても最低限の生活費が保証されているとなると安心して療養に取り組めますよね。
今健康な人でも突然心身の健康を失うリスクがある以上、保険会社の保証サービスの利用は真剣に検討する価値があると思います。
また、民間の医療保険を選ぶ際には、「保険のプロ」に相談をするのがおすすめです。
医療保険は複雑で、知識がない状態で選んでしまうと自分に合っていない保険を選んでしまい、後悔してしまうことになりかねません。
保険のプロに相談することで、あなたに最適な保険を時間をかけずに見つけることができます。
今では無料で経験豊富な保険のプロフェッショナルに相談できるサービスを提供しているところもあるので、保険について悩んでいる場合には、こうしたサービスを活用することをおすすめします。
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