在宅介護支援センターの役割とは?現状や内容を知ろう

在宅介護支援センターの役割とは?現状や内容を知ろう

在宅介護支援センターは市町村に設置されている高齢者介護の相談窓口ですが、近年は地域統括支援センターに統合されています。

このページでは在宅介護支援センターの役割や現状についてまとめました。

1.在宅介護支援センターとは

在宅介護支援センターは老人福祉法によって各地に設置された施設で、高齢者が福祉サービスや介護サービスを受ける際の相談や各種申請の代行などを行います。また老人福祉に関する事業所との調整や連絡なども行います。

なお、在宅介護支援センターというのは通称で、法律上は老人介護支援センターとして規定されています。

職員は社会福祉士、保健師、介護士、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)のいずれか1人を配置することとなっています。施設は居宅介護支援事業所との兼務が可能です。

ただ平成18年に介護保険法が改正され、それ以降、在宅介護支援センターは地域包括支援センターへの統廃合が進んでいます。

2.在宅介護支援センターの業務内容

在宅介護支援センターの業務内容は福祉サービスや介護サービスの相談や申請代行、書類作成など多岐にわたります。その一部をご紹介します。

介護保険に関するもの 要介護認定・区分変更・要介護等更新認定の申請
介護サービス計画作成のための情報提供依頼書
居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書
介護保険高額介護サービス費支給申請書
介護保険居宅介護(支援)住宅改修費支給申請書
介護保険負担限度額認定
介護用品に関するもの 家族介護用品(紙おむつ・尿とりなど)の受給資格申請書・受給変更届出書の申請
補装具交付修理申請
福祉用具利用申請書(車いす・ベッドなど)
介護予防に関するもの 食の自立支援アセスメント票
介護予防・地域支えあい事業利用申請書(外出支援・軽度生活援助・訪問理美容・生きがいデイ・骨折予防など)
緊急通報・安心電話関係 緊急通報装置貸与利用申請書
市老人福祉電話設置事業利用申請書
在宅福祉サービス関係 高齢者見守りネットワーク事業利用申請書
利用者負担軽減確認書交付申請書
在宅患者往診受付用紙
市高齢者はり・きゅう・マッサージ施術受療交付申請書
ホームヘルパー関係 訪問介護利用者負担減額申請書
市ヘルパー派遣申請書
タクシー券・移送関係 市福祉輸送車両利用申請書
タクシー券交付
住宅改修関係 住宅改修給付申請書
養護老人ホーム入居申込書

これらは一部ですが、このように多くの内容に対応しています。なお、サービス内容は自治体独自のものがあるため、取り扱い業務は施設によって若干異なります。

2-1.在宅介護支援センターで多い依頼内容

ある自治体で特に依頼が多かった業務をピックアップしてみました。

【在宅介護支援センターの取り扱い業務ベスト3】

  1. 介護保険(要介護認定・区分変更・要介護等更新認定)申請の代行
  2. 介護サービス計画作成のための情報提供依頼書の作成代行
  3. 居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書の申請代行

要介護認定を受ける際の手続きや要介護認定の区分変更などの手続き、サービスを受けるための手続きなどの相談や申請代行が多いことがわかります。

また、紙おむつ支給申請や老人ホーム入所申し込み、配食サービス申請なども多く扱っています。

3.在宅介護支援センターが地域包括支援センターに移行

平成28年現在、全国各地の在宅介護支援センターの多くは地域包括支援センターに移行または統合されています。

地域包括支援センターは介護保険法に基づいて地域支援事業を行う施設です。財源も介護保険料と公費で負担しています。一方で在宅介護支援センターは地域包括支援センターが設置されていない市町村への経過的補助を除いては予算補助が平成18年以降廃止されています。

3-1.地域包括センターではより幅広い対応が可能に

地域包括支援センターの人員配置は3人で、社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員等を置くように定めています。在宅介護支援センターの人員配置は1人でしたが、その点を比較しても充実していることがうかがえます。

また、地域包括支援センターでは介護が必要な人だけでなく、介護を予防するための事業や成年後見制度の活用推進、高齢者への虐待防止、地域ケア会議の開催など在宅介護支援センターよりも幅広い活動を行っています。

なお、地域包括支援センターは中立な立場を確保するために居宅介護支援事業所との兼務は原則不可となっており、市町村の直営または在宅介護支援センター設置法人等の中から適切に事業を実施できるものを市町村が選択して委託することになっています。

3-2.各地の在宅介護支援センターと地域包括支援センターの状況

全国の地域包括支援センターの数は平成24年現在で4328ヶ所、窓口機関であるブランチ、サブセンターも含めると全体で7,072ヶ所になります。

各地の在宅介護支援センターの数や地域包括支援センターへの移行状況は都道府県や市町村によってさまざまです。

東京都の例を見てみましょう。

東京都の社会福祉協議会が都内の地域包括支援センターと在宅介護支援センターを対象に実施した「地域包括支援センター等の状況把握調査」(平成24年度)では回答のあったセンターのうち64.7%が在宅介護支援センターから地域包括支援センターに移行、14.2%が在宅介護支援センターのままと答えています。東京都内で現在でも在宅介護支援センターとして存在している施設は平成28年度現在で83ヶ所です。

千葉県の場合、県内の在宅介護支援センターは67ヶ所ですが、多くは社会福祉法人などに委託されています。神奈川県では多くが地域包括支援センターに統合されています。

4.在宅介護支援センターと居宅介護支援事業所との違いは?

在宅介護支援センターと居宅介護支援事業所はよく似た名前ですが、次のような違いがあります。

在宅介護支援センター 居宅介護支援事業所
運営主体 市町村(または市町村から委託を受けた団体)や社会福祉法人 運営基準を満たしている法人で介護保険指定事業者の許可を取得している法人
業務内容 要介護認定の申請や介護サービスを受けるための相談、申請代行など ケアプランの作成、居宅で利用できる介護サービスの紹介や調整、介護サービス費用の計算や請求などの代行
費用 無料 無料

在宅介護支援センターは要介護認定の申請をはじめ、行政への各種申請方法の相談や代行などを行うところです。

一方、居宅介護支援事業所はケアプランの作成や介護サービスの紹介、調整などが主な業務になります。

どちらも無料で利用できるので、まずは近くの在宅介護支援センターや地域包括支援センターで相談してみるといいでしょう。

まとめ

介護保険法の改正によって介護サービスの内容や自治体の取り組みなどが変化しています。在宅介護支援センターもかつては地元の相談窓口として活用されてきましたが、近年は地域包括支援センターで対応するところが増えています。

在宅介護支援センターの役割や特徴をまとめると次のようになります。

  • 在宅介護支援センターは老人福祉法に規定される施設で、市町村が設置している
  • 業務内容は要介護認定の相談や申請、自治体の介護サービスの申請、申請代行などである
  • 在宅介護支援センターとよく似た施設に居宅介護支援事業所があるが、こちらはケアプランの作成などを行っている
  • 在宅介護支援センター、地域統括支援センター、居宅介護支援事業所ともに相談や利用は無料なので積極的に活用すべき

介護認定や介護サービスを受けるにあたっては、まずは地域の在宅介護支援センターまたは地域統括支援センターで相談してみましょう。

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