介護職の派遣は正規職員とどう違う?派遣のメリットとデメリットを探る

介護職の派遣は正規職員とどう違う?派遣のメリットとデメリットを探る

介護の現場はどこも人材不足です。そのため正規職員以外にも派遣や契約社員、パートタイマーなど非正規雇用の人も多く採用しています。

介護職は正規職員の方が待遇はいいのでしょうか?正規と派遣職員では仕事内容は異なるのでしょうか?

介護での派遣という働き方について詳しく解説します。

1.介護業界で働く派遣の職場と仕事内容

介護業界で働く派遣の職場と仕事内容

介護職が働く場所は大きく分けると次の3つになります。

訪問系 利用者の自宅を訪問して介護をする
施設系 通所型 施設に通う利用者を介護する
入所型 施設に入所している利用者を介護する

また、運営する事業者には、

  • 民間企業
  • 社会福祉法人
  • 社会福祉協議会
  • 医療法人

などがあります。

こういった介護の現場では、正規職員と非正規職員(派遣、契約社員、パートタイマー、アルバイト)などが働いています。

1-1.正規職員と非正規職員の違い

職員はさまざまな働き方がありますが、常勤として労働時間に関係なく雇用期間の定めがない労働者のことを正規職員と呼びます。

一方、正規職員以外の労働者のことを非正規職員と呼び、派遣、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイトなどが該当します。

1-2.派遣とは

正規職員は自分が働いている職場(企業や店舗)などに雇用されますが、派遣は派遣会社と雇用契約を結びます。給与も派遣会社から支給されます。

派遣の給与は多くの場合、時給で計算して支給されます。契約期間は派遣会社との間で契約した期間ですが、上限は3年になっています。また、派遣ではボーナスや退職金がないケースが多いようです。

正規職員と非正規職員

1-3.派遣以外の非正規職員

派遣とよく似た働き方に契約社員があります。契約社員は採用される企業に直接雇用されますが、正職員のように定年退職までといった長期間ではなく、契約した期間(半年や1年間など)だけ働くというもので、上限は3年(厚生労働大臣が定める基準に該当し、かつ専門的な知識や高度な技術を有する人などは最長5年)になっています。

契約社員の給与は時給のケースもあれば月給制もあり、中には年俸制というケースもありますが、契約を交わしたり、待遇の交渉をしたりといったことはすべて自分でやらなければなりません。

ただ、介護職の場合、非正規職員は派遣やパートタイマーが多いのが現状です。

1-4.派遣の仕事内容

派遣が介護現場で行う仕事内容は派遣先によって異なりますが、事前に仕事内容が伝えられ、それで納得した場合に派遣されることになっています。介護職の派遣ではほとんどの場合、介護サービス利用者の介護業務を行います。

中には事務系の仕事もありますが、その場合は派遣先を決めるときに事務であることが伝えられます。そのため、派遣先で急に事務など介護以外の仕事を依頼されるということはありません。

2.介護現場での派遣の割合

2-1.介護現場での非正規職員の割合は半数弱

実際に介護現場では、派遣として働く人はどれくらいいるのでしょうか。まずは正規職員と非正規職員の割合を見てみましょう。

公益財団法人介護労働安定センターが平成25年度に実施した介護労働実態調査によると、事務職などを含めた全従業員の中で非正規職員が占める割合は46.4%となっています。職場別に見ると、訪問介護系では特に非正規職員の雇用が多く、全体の61.6%を占めています。次いで通所型施設での雇用が50.2%になっています。

全従業員の就業形態

介護サービス従事者だけの割合は非正規職員の割合がやや高く、特に訪問介護では65%が非正規職員になっています。

介護サービス従業者の就業割合

2-2.派遣は訪問介護系に多い

このように非正規職員が占める割合は多いものの、その中で派遣が占める割合はそれほど高くなく全体の9%程度です。ただ、訪問介護系では従業員の約31%が派遣の職員となっています。一方、入所型の施設での派遣職員の雇用は4.4%と少なくなっています。

従業員に対する派遣労働者の割合

3.介護の派遣~募集内容

介護の派遣~募集内容

介護の派遣の求人はどこもたくさんあります。

東京都23区内で探してみただけでも次のようにさまざまな施設で募集がありました。

施設の種類 時給 夜勤1回あたり 勤務時間
サービス付高齢者向け住宅 1,600円~ 28,000円~29,000円) 【早】7:00~16:00

【日】9:00~18:00

【遅番】11:00~20:00

【夜勤】17:00~翌10:00

特別養護老人ホーム 1,400円~ 26,000円~ 【早】7:00~15:45

【日】8:30~17:15

【遅番】11:15~20:00

【夜勤】16:30~翌9:30

有料老人ホーム 1,600円~ 28,000円~29,000円 【早番】7:30~16:30

【日勤】9:00~18:00

【遅番】10:00~19:00

【夜勤】16:00~翌9:00

介護老人保健施設 1,400円~ 24,500円~25,700円 【早】7:00~16:00

【日】8:30~17:30

【遅番】11:00~20:00

【夜勤】16:45~翌8:45

グループホーム 1,600円~ 28,000円~29,000円

 

【早】7:00~16:00

【日】9:00~18:00

【遅番】11:00~20:00

【夜勤】17:00~翌10:00

有料老人ホーム併設のクリニック 1,400円 日勤のみ
有料老人ホーム 1,470円~1,540円 日勤のみ

いずれも利用者に対して食事介助や入浴介助、排泄介助などの介護業務を行う仕事です。

週3日以上勤務できる人の募集が多く、福利厚生は社会保険完備、有給休暇あり、交通費全額支給となっています。

必要な資格としては介護職員初任者研修(ヘルパー2級)以上で介護職経験がある方です。

3-1.介護の派遣では夜勤ができる人の募集が多い

上記のように派遣の募集では夜勤ができる人を求めるケースが多くなっています。

その際は夜勤手当が上乗せされるので夜勤1回あたり26,000円~29,000円と高額になります。

夜勤を希望しない場合は、クリニック併設の介護施設や訪問介護系など日勤だけの募集があるので探してみましょう。

3-2.介護職で派遣の求人を探す際の注意事項

交替勤務の場合は派遣先によって時間がさまざまです。夜勤は夕方から始まり、翌日の朝8時45分で終わるところもあれば朝10時までというところもあります。

派遣で介護の求人を探す場合は時給や夜勤手当だけでなく、勤務時間や休憩時間、シフトを組む際に個人の事情を聞いてもらえるかどうかなどをよく確認しましょう。

3-3.福利厚生はおおむね良好

介護系で派遣の求人募集を行っているところの多くは交通費支給、有給休暇あり、各種社会保険完備となっています。福利厚生に関しての心配は少ないでしょう。

不安な点があれば派遣会社の担当者に相談ができるので安心できます。

4.介護職を派遣で働く場合のメリットとデメリット

4-1.派遣のメリット

派遣で働く場合は、次のようなメリットがあります。

①時給が高い

派遣で働く場合はパートタイマーよりも時給が高いのがメリットになります。また、1日の勤務時間は正職員と変わらなくても時給が高いために、1ヶ月の受け取り額は派遣の方が多い傾向にあります。

派遣会社によっては週払いも可能なので相談してみましょう。

②自分に合わない場合は職場を変えてもらえる

介護職は職場の人間関係などが働きやすさに影響します。正職員は採用されたらずっとそこで勤め続けなければならないため、同僚や上司との関係などで問題があっても我慢したり、ストレスを抱えたりしがちです。

しかし、派遣の場合は自分と合わない職場だと感じたら、違う派遣先を紹介してもらえます。もちろん派遣先が気に入れば長く勤めることも可能です。

また、派遣先で何か問題が発生した場合、正職員は自分で上司に掛け合う必要がありますが、派遣の場合は派遣会社を通じて伝えてもらえるというメリットがあります。派遣会社がクッションになってくれるのは心強いと言えます。

③時間通りに終わる

介護の現場は人手不足のため、職場によっては残業が多いところがあります。しかし、派遣で働く場合は決められた時間には終われるので、プライベートの時間が確保できるというメリットがあります。

④職場の都合による異動などがない

正職員の場合は職場が決めた人事異動には従わないといけませんが、派遣は派遣時に決められた業務を行います。そのため、職場(派遣先)から人事異動を命じられることはありません。

結婚や家庭の事情などで勤め先(派遣先)を変えることも可能です。その場合は派遣会社と相談することになります。

4-2.派遣のデメリット

①ボーナスがない

派遣はボーナスがありません。月収は正職員より多くなることがあっても、ボーナスを含めた年収で計算すると正職員と変わらないというケースがあります。

②社会的な信用が低い

クレジットカードを作る程度なら問題はありませんが、住宅ローンなど高額なローンを組む場合に派遣は不利になりがちです。それは正規職員に比べて信用度が低いからです。

本人に問題がなくても、派遣は雇用期間が短いため長く安定した収入があるかどうかわからないという点で信用度が低くなり、ローンの審査では不利になります。

③次の仕事が見つからないかも知れないという不安

派遣の雇用期間は最長3年間なので、その期間が終了すると次の仕事を見つけなければなりません。また、派遣先の業績悪化で「派遣切り」をされる場合があります。

そのために不安定だと言われますが、介護業界の場合は慢性的に人手不足なのでその心配はないでしょう。今後さらに人材が求められるため、派遣として働きながら経験を積み、資格を取ってステップアップするのが理想です。

5.介護業界の派遣~短期間勤務はアリ?

介護業界の派遣~短期間勤務はアリ?

イベントスタッフなどは週末だけスポットでのアルバイト的な派遣がありますが、介護の場合は多くは週3日~からという募集が多いようです。また、期間は最低でも3ヶ月となっています。

もちろんすべてがそうではないので、派遣会社に登録する際に相談してみましょう。長く勤めることに不安がある場合は、事前に派遣先の見学をさせてくれる派遣会社が多いので納得のいくまで見学や質問をすることをおすすめします。

6.介護職で派遣として働く方法

介護職で派遣として働く方法

派遣として働くには、派遣会社に登録する必要があります。

  • 「介護 派遣」
  • 「介護 派遣会社」

などのキーワードで検索すると、多くの派遣会社が見つかります。その中から自分が希望する条件の求人があるかどうかを見てみましょう。

中には「非公開求人」と言って、登録した人でないと見られない求人案件を保有している派遣会社があります。登録は無料なので、まずは登録して相談してみましょう。

6-1.派遣会社では希望条件を遠慮なく相談しよう

派遣会社では多くの募集案件を保有しています。インターネットの画面上でも募集内容を見られますが、自分の希望する条件に合った案件かどうかはネット上の情報だけではわかりづらいものです。

派遣会社の担当者に相談して、自分にぴったりの派遣先を探しましょう。

まとめ

介護業界では正職員だけでなく、非正規職員の人も多く働いています。派遣の特徴をまとめると、次のようになります。

  • 介護業界の中でも特に訪問系では全従業員の約31%が派遣の職員である。
  • 介護施設の数で見ると、入所系施設の約18%で派遣の職員を受け入れている。
  • 派遣はパートタイマーよりも時給が高く、福利厚生も充実している
  • 派遣は正職員よりも月収が多くなる場合があるが、契約期間が最長で3年というデメリットがある
  • 派遣として働くには、まず派遣会社に登録し担当者と相談しながら自分に合う派遣先を探すのがおすすめ

派遣として働く場合は、そのメリットとデメリットをよく理解した上で仕事を探すようにしましょう。

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