住宅型老人ホームとは?メリットと他施設との違いを知ろう

住宅型老人ホームとは?メリットと他施設との違いを知ろう

高齢者が入居する住まいや施設には多くの種類があります。今回は住宅型老人ホームの特徴とそのメリット、他の高齢者施設との違いなどについて説明します。

高齢者の住まいをお探しの方やご自身の老後を考える方はぜひ参考にしてください。

1.住宅型老人ホームとは

住宅型老人ホームは正しくは「住宅型有料老人ホーム」といいます。有料老人ホームには、

  1. 健康型有料老人ホーム
  2. 住宅型有料老人ホーム
  3. 介護付き有料老人ホーム

の3種類があり、今回ご説明する住宅型老人ホームは②の住宅型有料老人ホームに該当します。

1-1. 有料老人ホームとは

有料老人ホームとは、

  1. 食事の提供
  2. 介護(入浴、排せつ、食事)の提供
  3. 洗濯、掃除などの家事の供与
  4. 健康管理

のサービスのいずれか(複数も可能)を提供している施設のことを指します。

1-2.有料老人ホームのサービス内容

有料老人ホームは種類によって提供するサービス内容が以下のように異なります。

施設名 特徴 介護が必要になったとき
健康型 自立している高齢者が対象で食事の提供が受けられる 基本的に健康な老人が入居するところなので要介護状態になったら退去する
住宅型 要介護認定を受けていなくても入居可能で、身の回りの世話など生活支援サービスが受けられる 介護スタッフがいないので、外部の介護サービスを利用する
介護型付き 一般型 要介護1以上を対象にした「介護専用型」と要介護認定を受けていなくても入れる「混合型」がある 介護スタッフが常駐していて施設内で介護サービスを受けられる
外部サービス型 要介護認定を受けていなくても入居可能 介護サービスは外部業者を利用する

これらの有料老人ホームは民間が運営しています。それに対して特別養護老人ホームや養護老人ホームなどは公的機関が運営しています。なお、介護付き有料老人ホームは介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けることが条件になっています。

1-3.有料老人ホームの数は急増

厚生労働省が実施している社会福祉施設等の調査結果によると、平成25年度の有料老人ホームの数は8,499施設、入居定員の数は349,975人で年々増加しています。

有料老人ホーム数の推移

出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要

なお平成27年に実施された調査によると、入居者の数は300,870人で平成21年の148,402人の約2倍になっています。

1-4.住宅型老人ホームは有料老人ホームの約6割を占める

年々数が増えている有料老人ホームですが、その中でも住宅型有料老人ホームの数は全ての有料老人ホームの約6割を占めています。一方で定員数は介護付き有料老人ホームの方が多くなっていることから、1施設での収容人数は介護付きの方が多いことがわかります。

なお、健康型有料老人ホームは要介護状態になったら退去しなければならないという理由があるからか、数はそれほど多くはありません。

有料老人ホームの件数 有料老人ホームの定員数

出典:平成25年度老人保健健康増進等事業「有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究

2.住宅型老人ホームと介護付き老人ホームの違い

住宅型老人ホームと介護付き老人ホームの違い

住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの大きな違いは、

  1.  都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているかどうか
  2.  施設内で介護サービスを提供しているかどうか

の2点です。

介護付き有料老人ホームは介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」として一定の基準を満たした上で都道府県知事の指定を受ける必要があります。サービス内容には、

  • 食事の提供
  • 入浴介護
  • 機能訓練
  • レクリエーション
  • 24時間見守り

などがあります。

一方の住宅型有料老人ホームには、介護スタッフは常駐していません。そのため、介護が必要になった場合は外部の介護サービス事業者から訪問介護を受けたり、デイサービスを利用したりする必要があります。ただ、施設内で食事や洗濯、掃除などの生活支援はしてくれますし、レクリエーションなども実施しています。

3.住宅型老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い

住宅型老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅はよく似ているため、混合される方が多いのではないでしょうか。どちらも施設内に介護スタッフが常駐しておらず、介護サービスを受けるには外部の事業者を利用することになります。

ただ、住宅型有料老人ホームは「高齢者向けの施設」であるのに対しサービス付き高齢者向住宅は「高齢者向けの賃貸住宅」という違いがあります。また、サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリーになっていること、職員による安否確認や生活相談があることなどが条件になっています。

住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅
サービス内容 生活支援サービス 安否確認、生活相談(事業者によっては生活支援サービスも実施している)
施設の条件 居住面積は施設によって異なる 居住面積は25㎡以上(共同スペースがある場合は18㎡以上)でバリアフリーが義務づけられている
介護サービス 外部の事業者から受ける 外部の事業者から受ける
管轄 厚生労働省が管轄する介護施設 国土交通省が管轄する高齢者向け住宅
契約形態 主に利用権方式 主に賃貸借契約

3-1.契約形態

住宅型有料老人ホームの契約形態である利用権方式とは入居時に一時金を支払うことで居室にする権利と生活支援などのサービスを受ける権利を取得できるというものです。取得できるのは所有権ではなく利用権なので、相続の対象にはなりません。

一方、賃貸借契約は一般の賃貸アパートやマンションと同様に入居者は借家権を所有するものです。一般の賃貸住宅と同じで契約者が死亡しても、遺族が立ち退き請求されることはなくそのまま住み続けることができます。

なお、住宅型有料老人ホームにも賃貸借契約で利用できる施設があります。

その場合は、

  1. 建物賃貸借方式
  2. 終身建物賃貸借方式

があります。建物賃貸借契約は一般の賃貸住宅と同様で入居者に借家権があり、契約者が死亡しても契約は終了せず権利を相続できます。終身建物賃貸借方式は入居者が死亡するまで住み続けられるというもので、死亡によって契約が終了します。

住宅型有料老人ホームでは利用権方式が多いのですが、賃貸借方式を採用しているところもあります。契約方式や一時金、月額の費用などは入居の際にホームページやパンフレット、重要事項説明書などでしっかり確認しておきましょう。

4.住宅型有料老人ホームのメリット

住宅型有料老人ホームのメリット

住宅型有料老人ホームは、要介護の度合いが重くなく自分のことはある程度できるという人が利用できる施設で、洗濯、掃除などの生活支援のほか、レクリエーションなども行っています。自宅でひとりで暮らすのが不安という人には安心できる施設だと言えます。

施設内に介護スタッフが常駐していないため、外部の介護サービス(訪問介護や訪問看護、デイサービスなど)を利用することになります。ただ、住宅型有料老人ホームでは運営主が近隣にデイサービスセンターや訪問介護センターなどを経営していることが多く、そこを利用できます。もちろん、自分で介護サービスを提供する事業者を探してサービスを受けることもできます。

入居の競争率が激しい特別養護老人ホームよりも入りやすいという点も大きなメリットです。入居費用は施設によって異なりますが、毎月の費用は20万円前後です。

5.住宅型有料老人ホームを利用する際の注意点

住宅型有料老人ホームを利用する際の注意点

住宅型有料老人ホームの契約方式は上記でご説明した通り、利用権方式と賃貸借方式があります。それによって入居時の一時金や毎月の利用料(家賃に相当する部分)の支払い方法が異なります。さらに外部の介護サービスを利用する場合はその分の介護費用(1割負担)がかかります。事前に何にいくらくらいかかるのかをよく調べておきましょう。

なお、平成22年に老人福祉法が改正されて有料老人ホームでは、

  • 短期間での契約解除の際の返還ルール
  • 権利金等の受領禁止

が決められました。

5-1.短期間での契約解除の返還ルール

有料老人ホームに入居して90日以内に契約解除する場合は前払い金から実際の利用期間分の利用料を差し引いた残りを返還することとしています。

5-2.権利金等の受領禁止

前払い金として権利金を徴収するケースがありましたが、利用者にとって権利金は何に対するものなのかが明確ではないため、前払い金としては「家賃」「介護等のサービス費用」「敷金」のみを受領可能にして、権利金等は受領してはいけないことを義務づけています。

なお、有料老人ホームにはクーリングオフ制度が設けられています。入居して90日以内に何らかの理由で退去する場合は、入居した期間の家賃分以外は返金されます。ただ、トラブルを避けるためにも契約前には費用やサービス内容をしっかり確認することが大切です。

まとめ

高齢者の住居や施設は種類が多く、混乱しがちです。住宅型老人ホームの特徴やメリットをよく理解しておきましょう。

  • 有料老人ホームには「健康型」「住宅型」「介護付き」の3種類があり、施設数としては住宅型がもっとも多い
  • 住宅型有料老人ホームでは生活支援サービスは受けられるが、介護サービスの提供はないので外部サービスを利用する
  • 住宅型有料老人ホームとよく似た施設にサービス付き高齢者向け住宅があり、バリアフリー化、安否確認や生活相談のサービスはあるが介護サービスやレクリエーションなどはない
  • 有料老人ホームではクーリングオフ制度があるが、契約前に内容をよく確認することが大切である

住宅型有料老人ホームはある程度自分のことができる自立した高齢者が利用する施設としておススメできます。利用に際してはサービス内容や契約方式、月額利用料や一時金の額などをよく調べるようにしましょう。

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